2015年7月20日月曜日

全日本MTB選手権大会:レースレポート


大会名:         28回全日本MTB選手権大会
開催日:   2015719日
開催場所:  長野県・富士見パノラマリゾート
カテゴリー: U23
リザルト:        優勝
天 候:   晴れ
コースコンディション: ドライ(一部マッド)

いよいよ2015年の全日本選手権の日を迎えた。
自分にとってはU23クラスでの3連覇がかかった大会である。

富士見での全日本開催は2年ぶり。大会2週間前に現地でチーム合宿を行なって、コース上の最適なライン取りや、登り下りのインターバルに費やす時間の確認、路面に合わせたタイヤやサスペンションのセッティングなど細かいところまで調整していく。身体の調子もとても良く、練習の数値から見ても過去最高と言える状態にまで持ってくることができた。

レース当日は絶対に負けられないという気持ちから緊張、不安と言ったネガティブな感情も溢れてくる。だがそれはレースが始まればすぐに忘れるような一時の感情であり、結果を決める要因にはならないことも分かっていた。去年の全日本でもスタート前は不安で仕方が無かったのだが、レースが始まれば身体はきちんと勝つためだけに動いていた。今年はそういった去年の経験もあるので、感情の変化に惑わされずに落ち着くことができていた。

自分を信じて淡々とレースまでの最後の準備を行なう。チームマッサーのJoeさんに2日かけて整えてもらった身体はウォーミングアップの時からスムースに動き、滑らかなペダリングができている。調子が良いことを確認できた。スタート30分前にSAVASのピットインエネルギージェル(カフェイン入り)を摂ってエネルギーを補給し、集中力を高める。サングラスは今シーズン愛用しているOAKLEYRadarEVMTB専用レンズのPRIZM TRAILは薄暗いシングルトラックでも明るくクリアな視界を与えてくれる。OAKLEYをかけずに山に入ることは、もはや考えられない。機材に関してもXTR Di2を使い始めてからレースでのチェーントラブルが一度も起きてないこともあって、不安は一切無い。

最高のスタッフと機材をサポートしてもらって、日本一になるための準備は万端。
あとはパンクなどのミスや、暑さによる体力消耗に気をつけて、自分の力を出し切るのみだ。

12時ちょうどにスタート。レース前に考えていた作戦はシンプルで、ひとつはライバルが苦しそうなタイミングで前に出て、一発で差を広げること。もうひとつは4周回を通じて自分が一番速く走れるペース配分を守ること。1周目はBHの中原選手に先行されるが、落ち着いて付いていく。後ろで走っていると相手のペースにのせられ易いので、自分の走りのリズムを守ることを心がけた。登りでペースが速過ぎると感じたときは無理に付いていかず、登り切った後の斜度が緩んだタイミングでペダルを踏み込んで追い付くようにした。

2周目に入って先頭に立ちたかったが、向かい風が強かったので一旦待って脚を貯める。そしてシングルトラックの下りに入る直前に追い抜いて先頭に立った。タイトなコーナーが連続するシングルトラックで上手く自分のリズムにのれたことで、中原選手を10秒ほど引き離すことに成功する。4周回という短いレース時間なので、これは絶好のチャンス。意識的にペースを上げ、差を20秒に広げて3周目に入る。

先ほど自分が差を広げたコースの前半区間では10秒差まで詰められてしまったが、後半にある最も斜度がきつくて長い登り区間に備えて、焦らずに自分のペースを守ることに集中した。この走り方が上手くいき、いったんは詰められたタイム差を30秒まで広げることに成功。独走でファイナルラップに入る。

あとはトラブルに気をつけて全開で踏み抜くのみ。体力的にもまだ余裕があり、思い通りに身体が動いてくれる。タイム差を1分まで広げることが出来た。

そしてゴール。U23クラスでの三連覇を達成。今の自分にできる最高のパフォーマンスで勝てたことは本当に嬉しい。今年もゴールしてすぐにOGK KABUTO様からチャンピオンカラーの特別ヘルメットを渡して頂き、喜びがいっそう増してくる。

そしてレース中の平均速度ではエリートクラスでも2位のスピードで走ることができた。来年はU23クラスでの最後の全日本となる。目標はもちろん四連覇。そのときにはエリートクラスのトップにも負けないラップタイムを刻める力をつけておくことを一年後の目標にしたいと思う。

今回の全日本選手権は誰にも負けないという自信と、次のステージへ進むためのモチベーションの両方を得ることができ、自分にとって非常に価値のある大会となりました。
最高の体制でレースに臨める環境を作って頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。
そして沢山の応援を送って下さり、本当にありがとうございました。

これからも宜しくお願い致します。

BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時

結果
優勝 沢田 時    BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
2位 中原 義貴 (BH RACING MTB
3位 前田 公平 (BIORACER


使用機材
バイク        ANCHOR XR9

コンポーネンツ     SHIMANO XTR Di2 M-9000シリーズ
ハンドル     SHIMANO  PRO
ステム                        SHIMANO  PRO
ペダル      SHIMANO XTR
シューズ           SHIMANO  SH-XC90

ヘルメット                Kabuto ゼナード スペシャル・チームカラー
グローブ     Kabuto  PRG-3(レッド)

ウエア            Wave One レジェフィット

サングラス                OAKLEY RadarEV
         レンズ PRIZM TRAIL

サプリメント         SAVAS(株式会社明治)
                                     レース前:ピットインエネルギージェル(カフェイン入り)
          レース中:SAVASスポーツウォーター 
          レース後:リカバリーメーカーゼリー